向き合わねばならぬ。
そろそろ「敗北」と向き合わねばならぬ。
どうも。「円柱マン」とかいう漫画でボッコボコのギッタギッタにされたお隣です。
去年の8月にAPEXの漫画を描いて己の容量をはるかに超える人達に読んで頂けた。
ものすごく嬉しかったのと同時に
「もうこんなに読んでもらえることは生涯ないんだろうな・・・」
「そもそも俺じゃなくてAPEXの人気だしな・・・」
という二つの思いがあり、
「実際、本当のところ、俺の力だけで漫画描いたらどんなものなんだろう?」
という気持ちからオリジナル漫画を試してみたい欲が強くなった。
で、完成したのがオリジナル漫画「円柱マン」
何言ってんだコイツと思われるかもしれないが俺としてはAPEX漫画を超える気合で描いた。(「あれで?」て思ったあなた。殺す)
オリジナル漫画を競うならここだとさっそくジャンプルーキーに投稿した。
勝てるとは思っていなかった。思っていなかったが初登場9位。
俄然、欲が出た(ジャンプルーキーは月のランキングトップ10をキープし続け、残った10作品がようやく編集部に審査されるシステム)
どうせなら10位以内に残って編集部の審査が聞きたい。それが駄目でもより多くの人に読んでもらいたい。
その一心で醜くセルフリツイートを擦り続けた俺の姿は皆さん記憶に新しいだろう(忘れてください)
結果は16日目であえなくトップ10圏外へ。
そのあとは浮上することもなく、月が終わってみれば30位以内にすら残れなかった。
完全敗北。ボロッボロのケッチョンケッチョンの完全敗北である。
「ちくしょう!くそう!俺の何がこいつらに劣ってんだ!?アアン!?」
と憤りながら最終10作品を読んでみたら、まあものの見事に俺が劣っていた。
まず熱意が違う。画力が違う。練り上げてきた漫画力が違いすぎた。
1から10まで負けていたとまでは言わないが、やはり公平に見比べると俺が残れないのは必然だったと思う。
打ちひしがれながら喉から手が出るほど欲しかったトップ10作品それぞれの編集部感想とその月の総評を読んでみる。
どのコメントもなるほどと思えるものばかりだったが、その中でやたら出てくるひとつの単語が気になった。
『他とは全く違う企画に~』
『キャラ、企画、ドラマがしっかり噛み合う作品で~』
『企画段階で自分が決めた面白さはどこなのかを~』
「企画」・・・・・・企画てなんじゃ?
漫画における企画とはなんだろうか?
ネーム(漫画のラフな設計図)とは違うのだろうか?
企画・・・企画が強い・弱いとはどういうことなのか?
わからなくてネット上で交流のある漫画家さんに聞いてみる。
細かな要素はあれど、乱暴に要約すると
「あらすじだけでもう面白い作品」が「企画が強い作品」ということらしかった。
そう考えると俺の『円柱マン』
「底辺絵師の女の子・奈落原悦子の元に円柱マンという円柱をかぶった不審者が現れる。円柱を模写しろと悦子に迫る円柱マン。だが円柱マンの円柱は歪んでいた!
そしてとれる円柱マンの円柱。円柱マンの正体はなんとただのオッサンだったのだ!
帰ってくる母親を『最速円柱拳』でKOし円柱マンは去った。ツイッターはブロックした」
・・・確かにこのあらすじじゃ弱い気がする。
少なくとも興味を持ってもらえたり、面白がってもらうことはあまりないだろう。
これが「企画が弱い」ということなのだろう。
では「企画が強い」とはどういうことか。
この際漫画作品じゃなくてもいい。
俺の好きな格ゲーのイベントならどうだろうか?
例えば『EVO』
「アメリカ・ラスベガスで一年に一度開催される世界最大の格ゲーイベント。
世界中から各国を代表する強プレイヤーが集い覇を競う。
事実上の格ゲーオリンピック」
もうこの時点でワックワクする。「早く続きを見せろ!」という感じである。
あるいは『獣道』
「格ゲー界のカリスマ・梅原大吾主催の格ゲー因縁デスマッチ。
古今東西様々な格ゲーで因縁のある二人を10先で完全決着させる。
地位も名誉もなく、決着後にはただ『勝者』と『敗者』が残るのみである」
これもあらすじだけでもうエモい。尊い。
なるほど。「強企画」とはこういうことか。
※獣道は厳密には15先だったり、バトルガレッガなどシューティングゲームで己との闘いも描かれたりしてます。
というわけで今回も長くなったが次なる目標が決まった。
「画力と企画力の向上」
どっちもツイッター擦ってれば良さそうな気がしてくるから不思議である(脳死)
では最後に問題の拙作「円柱マン」を再掲して終わりとする。
世間体を考えると「敗れた怪人」みたいでかっこ悪いが、
俺にとっては何度も読んでもらいたいかわいい奴なのである。
(終わり)