あんた、ハゲとる?
先日、超久々に姉(キレ痔)からLINEが来た。
なんだなんだ久々にかわいい弟と会話したくなったかと思ったら
ただ一言、
『あ ん た 、ハ ゲ と る ?』
・・・この女のこういうところが昔から大嫌いだった。
意図はわからんがなんというデリカシーのない質問だろうか。
確かに俺は10年ほど実家に帰っておらず、なるほどハゲててもおかしくない年月が
たったのかもしれない。
だからといって普通そんなこと聞くだろうか!?
誓っていうが俺はハゲてない。ハゲてはいないが、もし俺が実際にハゲてて、しかもそれを気に病んでいたらとは考えなかったのだろうか?
そんなことにすら頭が回らない無神経さが姉(キレ痔)にはあった。
「ハ、ハゲとらんよ!なんやその質問!ハゲてたらどうするのさ!?」
意味がわからないので怒りを我慢して俺は冷静に返信した。
すると姉(キレ痔)の返事はこうだった。
『いや、うちの息子が見た目も声も性格もあんたによく似ててさ、
そんで旦那も旦那の親もハゲとるからあんたどうなのかーて笑』
何が笑だクソババァと俺はスマホを床に叩きつけたい衝動に駆られたが要するに姉(キレ痔)の意図はこうである。
旦那も旦那の親もハゲてるから、息子が将来ハゲるかハゲないかを容姿がよく似た俺で
占おうというのである。
我が姉ながらなんと情けないことだろうか。
第一そもそも男の価値はハゲるとかハゲないとかで決まらない。(ゲームの上手さで決まるのだ!)
見た目は大事だし場合によっては全てかもしれないが、人は欠けた何かを違う何かで補える生き物である。
ハゲたからなんだ!?頭から違う何かが生えてくるかもしれないじゃないか!
第二に見た目重視としてもハゲててもかっこいい男など山ほどいる。
ブルース・ウィリス、ジェイソン・ステイサム、ジョン・マルコビッチ・・・
全て外国人だ。日本人だと・・・いしだ壱成とか!
逆に言うならハゲてなくともかっこ悪い男は星の数だ。
髪の毛などキャラクリの1要素でしかなくそこで勝負は決まらないのである。
そして最後に、これが1番重要だがお前のその
『私の息子将来ハゲるかも・・・』
という視線が何より息子の頭皮に悪いとなぜ気づかん!?
子供は無条件に親に愛されていると実感してこそ自信を獲得しまっすぐ育つ。
「お母さんは僕がハゲたら僕を愛してくれないかも・・・」
という思いがプレッシャーになり逆に息子がハゲる確率をあげているのだ。
ハゲたらハゲたままを愛し、学校に送り出してやればいいのだ。それが母親だろう!?
という1000文字に迫る熱い説教のすべてをのみこんで
俺はただ
『完全な運だ。トリートメントとか髪洗ったあとドライヤーとかなんも関係ない。
多分遺伝すら関係ない。完全な運だ』
とだけ返信した。
ハゲるとかハゲないとかに価値を置く。
それこそがハゲた考えだとわからない女にこれ以上話すことなどない。
最後に
「で、息子があんたに会ってみたいていうんやけど笑」
と返信が来た。
俺は「いやだ」と返した。
(終わり)