もう鉄拳王の昇格戦までいったのだから実質鉄拳王を名乗っていいと思うのだが
世間は許してくれないらしい。世知辛い世の中である。
さて、今日この実質鉄拳王が語りたいのはズバリこれ。
「実録!実質鉄拳王によるランクマで煮えないメンタルコントロール」
「あちゃー春かー!」と思われる方もいるだろうが、どうか最後まで聞いてほしい。
今回は技術ではなくメンタル面の話である(毎回そうだが)
格ゲーでもFPSでもカードゲームでもそうなのだが対戦ゲームというのは
とにかく煮えやすい。
互いに互いが嫌がることを追求するゲームなのだから当然である。
かくいう俺も赤毛のアンばりの癇癪持ちなので、理不尽なライトゥーを食らったり
シャドバで3連煽りエモートを食らったりすると誰もいない部屋で
「ああああああ!!!ああくそ!!!!あああああ!!!!」と声を荒げる時期があった。
しかし、対戦ゲーこそ煮えては勝てない。終始クールに水の心を保てないと
自分から崩れて負けることになる。
ではそもそもこの「煮える」という感情はどこから来るのだろうか?
俺が思うにこの「煮える」という感情は
「自分はちょっとできる奴」とか思ってるときに表れやすい。
俺が鉄拳で神段に昇格した時
「自分は鉄拳が強くて明日にでも地元の小学校から講演の依頼が来てもおかしくない特別な存在なんだ!」
という万能感に覆われた。
今思えばヤジロベーぐらいのポジションなのだがその時はそう思ったのだ。
そうしてまた潜るランクマ。
相手は2,3段下の上位プレイヤーのサブキャラでもなさそうな格下。
「さぁていっちょ『鉄拳』教えてあげちゃいますかね!」
と意気込んで挑む対戦。
勝 て な い
何をやっても勝てない。かみ合わない。そんなに相手はすごいことしてないのに
全部喰らう。持っていかれる。
「アイェエーナンデ!?我神段ぞ!!??ナンデ!?ナンデ!?」
誰もいない部屋で机をバァン!と叩く。講演会が遠ざかっていく。
格ゲーやってれば誰でも百度は味わうであろうほろ苦い記憶である。
自分を「優れた者」と思い込んだ時――
相手を「自分より下」と見下した時――
そしてそれらが覆った時に人は壮絶に「煮える」
逆に相手がウメハラだったら俺はどんなに負けても
「ヘヘヘ、ウメハラさんと対戦しちゃったフヒヒ」
としか思わないだろう。そういうことだ。
それに気づいた時、俺はこれからは対戦相手は全てウメハラだと思うことにした。
相手は全て格上。ジョジョ7部でいうならLesson4・『敬意を払え』だ。
そうして俺は神段を抜け、実質鉄拳王になった。
もはや俺は煮えることのない、水の心を手に入れたのだ。
そうしてまた潜ったランクマ。
相手がやたら死体蹴りしてくる。
「大丈夫。俺はクールだ。ウメハラに死体蹴りされるなんて光栄だ」
5連敗。相手の死体蹴りが止まらない。
「ちょっとさすがに蹴りすぎではなかろうか?いくらウメハラといえどよぉ~?」
降格戦点灯。俺の怒りの開幕ガクスンが放たれた。すまん煮えてないなんて嘘だ
自分をごまかしてるだけだあとお前はウメハラなんかじゃない!!!!
ありとあらゆるパナしを駆使して俺はなんとか降格戦をしのぎ、脱出した。
最後に一発ぐらい蹴り返してもいいかな?という気持ちが心をよぎったがグッとこらえた。
「いったいどんな人だったんだろう?」
と相手の名前でググッてみた。そしたらなんと配信されていた。
そこではめっちゃ入れ墨はいった怖そうな人があらん限りの罵詈雑言を吐きながら
プレイしていた。
危なかった!蹴り返さなくてよかった!!俺は救われた!!!!!
画面の向こうにはどんな人がいるかわからない。煮えてもいいことがない。
皆さんも相手に敬意をもって「煮えない」対戦を!!!
(終わり)