ついに来た。ついに来たのである。
前回「俺も格ゲーの新キャラを誰に流されることなく正しく評価する目を持つ」
という目標を掲げた俺に、早くも実践のチャンスが来たのである。
3D格闘ゲーム「鉄拳7」に追加された新キャラ「リディア」
ポーランドの女性首相で伝統空手の使い手というなかなか盛り込んだ設定のキャラだ。
このキャラを、有識者の意見が出そろう前に、「俺」が強さを判定する・・・!
そう意気込んでトレモに籠った俺はまずひとつの仮説を立てた。
そもそも鉄拳における「強キャラの条件」とはなんだろうか?
スト5にはスト5の、ギルティにはギルティの、ソウルキャリバーにはソウルキャリバーの、それぞれのゲームで強キャラの条件は違うはずだ。
ならば鉄拳は・・・?
考えた末、俺が導き出した鉄拳の強さの条件は
「火力」「バクステの速さ」「リスクリターン効率」だ。
まず「火力」
これはたいていの格ゲーにおいて正義であろう。
火力が高ければ少ない読みあいで勝利することができ、また劣勢の時でも一気に大逆転できる可能性が高い。
そう思ってリディアのサンプルコンボを再生してみる。
普通・・・普通に見える。
高難度の☆3コンボが高いがこんなアホアホコマンド落っことす可能性が高いんじゃないだろうか・・・?
そう考え平均値をとって「普通~やや高い」と位置付けた。
それから「バクステの速さ」
鉄拳といえば「山ステ」に代表されるようにとにかく一瞬で下がるスピードが要求されるゲームだ。あんだけ山ステ山ステみんな言うんだからバクステがイマイチだったら強キャラたりえないのではないだろうか・・・?
そう思ってリディアで下がってみる。
山ステができないのでアレだがスッスッと何回か下がってみる。
普通・・・普通に見える。
比較対象が自キャラしかないが少なくとも群を抜いて早いとかそういうことはなさそうだ。
そう考えバクステは「普通」と位置付けた。
最後に「リスクリターン効率」
これはまんま「この技割に合うか」ということだ。
すべての技には発生・判定・リーチ・威力・上中下の属性・ガード後硬直・全体硬直のどこかに弱点が設定してあり、その弱点が著しく小さいものを「強技」と呼ぶ。呼ぶのだと思う。
例えば自キャラのフェンは相手の行動をとがめるのに命がけのような技を振る必要があり、残念ながら「リスクリターンがあってないキャラ」なのだと思う。
ではリディアはどうか・・・?
フレームはいいように見える。おそらくここが自慢のキャラなのだろう。
だがしゃがみでかわせる上段攻撃が多く、下段は奈落払いのような技が気になるがちゃんとガードされたら浮き確だ。しかも別にコンボにいける下段というわけでもない。
総合すると普通・・・やや強めか?という気がする。
並外れてリスクリターンに優れてるキャラということはあるまい。
さて「数値」は出そろった。あとはこれらを「数式」に当てはめるだけ・・・!
俺の8メガの脳みそが高速回転を始める。
電波測定により番号は特定済み端末契約会社からEメールアドレスを取得DNSサーバーポートにマルウェア設置デコイデバイス捕獲MACアドレス特定IPアドレス再設定――
ギン!!!!答えは出た!!!!!
リ デ ィ ア は 普 通 ! ! !
おそらくは甘めに見積もっても中の上から上の下の間。
少なくとも最上位グループに食い込めるだけの強さはないだろう。
つまりリディアは「あんまり強くない」!!!!!
さあ俺は結論を出したぞ!
大地よ震えろ!海よ割れよ!!!天よ叫べ!!!!
人々よ俺の慧眼にひれ伏せ!!!!!!!
プロゲーマーA「リディア強い」
プロゲーマーB「リディア強い」
プロゲーマーC「リディア強い」
世の中ままならないものである。
(終わり)