今年は前半にいろいろ重なってメンタルがボロボロになって以来、いまひとつやる気が出ないので、ついに「やる気が出る方法」みたいな本を買ったお隣です。
普段ならこの手の自己啓発本は
「フン・・・そんなものは溺れる弱者が頼るイカダよ!!!」
と切り捨てるとこだが、俺が正に溺れる弱者だったので買いました。
今日の本題ではないので簡単にその本を要約すると
①目標を無理やりにでもでっかく持つ
なのでAPEX漫画よりたくさんの反応をオリジナル漫画で貰うにしました。
不可能レベルでいいらしい。
②作業を始めるスイッチを入れるルーティンを作る
なので腹筋(プランク)100秒にしました。簡単かつ絶対毎日できるのにするのがポイント。
③毎日失敗する
「失敗を怖れるな!」と説く本は多いと思いますが、「自ら失敗しにいけ!」というのは斬新で気に入りました。進んで失敗することはありませんが、失敗しても「今日も財産増えたな!」と思えるようになりました。
④毎日違うことをする。できるだけ行ったことない店で食事する。
これによってなんだかチャレンジングな気持ちになりやすい脳になるそうです。
で、今日のポイントは「④できるだけ行ったことない店で食事する」である。
ここ一週間ほど実践しているが、いつも同じ店どころか同じメニューで食事してる
俺にとっては難題。やはり一日の最大の楽しみである食事では絶対失敗したくないという思いが強いからだろう。しかしその安定思考を壊すのが目的なのである。
で、今日ついに手を出したのが
イ ン ド 料 理
普段の俺なら!絶対!確実に!手を出さないジャンルである。
だってなんだか恐ろしい。思えばよその国の専門店などサイゼリア以外行ったことがない。
しかし今日勇気を出してたまたま目に入ったインド料理屋に入ってみた。
なんていうか店の中がインド!
まず出迎えてくれたお姉さんがインドな服を着ていた。
パッと見、国籍は正直わからない。逆に少しホッとした。外国の人じゃないのかもしれない。
いい感じの店内で空いてる席に通される。
右も左もわからなかったが俺には夢のナビゲーター・ツイッターのみんながいる。
TLのおすすめはチーズナン・ハニーナン・ガーリックナン・サグチキン。
どれも聞いたことない響きばかりだ。
メニュー表とにらめっこすること約7分。
結局セットの「タンドリーランチ」というのにした。
本日のカレー(ほうれんそうのカレー)にタンドリーチキン、チーズナン、サラダ、
パーパル、マンゴーラッシー。
おすすめ票の多かったチーズナンと、タンドリーチキンという聞きなれた単語が安心感を与えたことが決め手である。やはりまだ安定思考を壊すには至っていないようだ。
震える指でボタンを押して従業員を呼び出す。
ついに注文の時だ。
注文を取りに来た従業員を見て電撃が走った。
イ ン ド 人
まごうことなきインド人。見たことなどないが、俺がイメージしてたインドの人そのもである。
バッと店内を見回す。注意深く見ると従業員すべてインド人である。
こうなるとさっきのお姉さんもおそらくはインド人で間違いないだろう。
TLからは「それはネパール人だ!」という声が殺到したがうるせーバカ!あれはインド人だ!!!冷めることを言うな!!!
一気に緊張度が高まったが勇気を出してメニューを指さして注文をとる。
「アノ・・・コレ・・・クダサイ・・・タンドリー・・・ランチ・・・」
どっちが外国人かわからないたどたどしい日本語だった。
「辛さどうサれまスカ?3はピリッとしまス。5は辛イ」
「5・・・いや、3で!3でお願いします!」
「ナンと飲み物どうサレますカ?」
(えっナンと飲み物変えれるのかよじゃあセットメニューに確定みたいに書き込むんじゃねぇ!)
「あっ・・・ええと、じゃあまんまチーズナンとマンゴーラッシーで・・・」
ドキドキの注文を終え料理を待つ。
鬼が出るか蛇が出るか・・・(出るのはカレーなのだが)
そしてすぐ料理が来た!早い!
そうか、カレーだから案外早いのである。
美しい。見た目にはすごく美味しそう!!!
しかし緑色のカレーは見慣れない。本当に美味しいんだろうか・・・?
ここで問題発生。
食 い 方 が わ か ら な い
全く作法がわからずひとまず左上のポテトチップスみたいなのにフォークを
突き立ててみる。
バリッと割れて、かけらがテーブルのあちこちに四散した。これは柔らかくしてから食うもののようだ。
次に意を決してナンにフォークを突き刺し、カレーが入った鍋の中にぶち込む。
いわばカレーライスのライスのかわりがナンなのだからこれでいいだろうという名推理をしたつもりだったがTLからはまたも「ナンは手でちぎってカレーにつけて食うものだ」という声が殺到した。
そう言われればそういうものだったような気がしたが覆水盆に返らず、ナンはカレーから出てこれず。一枚目は犬食いのような感じでナンをのどにかきこんだ。(残りはちゃんとちぎって食べました!)
ようやく慣れてきて味を楽しむ余裕が出てくると美味しい!!!
緑色のカレーも全然おいしく、なんのこっちゃかわからなかった固いチップもマンゴーラッシーも美味しかった。
俄然気分がよくなってきたところで急に周りの客たちが一気に帰り始めていく。
何事か?と思ったら店員さんが来て、
「オーダーストップでス。他ニ何か注文はアリますカ?」
しまった。食うのに手間を取りすぎたのと、ツイッターを擦りすぎた。
気がつけば店内は日本人の俺一人と周り全部インド人。
「囲まれた――!」
もうここは治外法権。俺は米軍基地に迷い込んだ不審者も同然。ここはもう「インド」の法が適用される・・・!
客が俺一人になると今度は従業員同士の会話が気になる。
当然インド語だから何を言ってるかはわからないのだが、それをいいことに悪口を言われてるのだとしたら・・・?
「オイオイ聞いてくれよイシャン(仮名)さっきあの日本人ナンを直接カレーにぶち込んでたぜ?信じられるか?」
「マジかよカマル(仮名)もうオーダーストップだからさっさと帰ってほしいね。
彼はこの店にはそぐわない」
もちろんそんなこと言われてるわけないのだが疑心暗鬼が被害妄想を生む。
俺は全く落ち着かない気分になり大急ぎで残りのナンとタンドリーチキンを食い終わり、マンゴーラッシーを飲み干した。
そしてようやくお会計。
最後なんだかんだあったが俺は満足。レジにて支払いをする。
たしか1290円だったな。
「1419円でス」
メニュー税込みで書いといてよ!と思ったけどまあよしである。
レジの周りに何かチョコマーブルをさらに小さくしたようなのが入れられたかごがあった。
「食後、ご自由にどうぞ」みたいなことが書いてあった。
「あの・・・これもらっていいんですか?どうやってとれば・・・?」
と聞くと、レジの従業員さんは手のひらにこう、ザーッとみたいな感じでジェスチャーで教えてくれた。
おそるおそる付属のスプーンで手にチョコマーブル?をザーッと乗せた。
乗せすぎた。マーブルがこぼれて床に散乱していく。
従業員さんからは「チッ店を汚しやがって!」みたいな目で見られた(気がして)
俺はチョコマーブルを手に乗せたまま逃げるように店外に出た。
店の外でようやく落ち着いて俺はチョコマーブルを口に入れてみる。
甘くて、なのにスーッとするハッカみたいな味だった。
初めてのインド料理。美味しかったし、満喫した。
でももうこの店にはいけない・・・・・・
(終わり)